東急と伊豆急の観光列車「ザ・ロイヤル・エクスプレス」

【公開停止予定】
2017年7月に、伊豆エリアを運行する東急と伊豆急の観光列車が登場します。

観光列車の名前は「ザ・ロイヤル・エクスプレス」(THE ROYAL EXPRESS)

横浜駅と静岡県の伊豆急下田駅間をJR東海道線・伊東線経由で3時間程度で結ぶ8両編成の観光列車です。

「ザ・ロイヤル・エクスプレス」の車体は伊豆の空と海をモチーフにした青色で、
デザインは、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」や数々の奇抜な観光列車のデザインを手掛けている水戸岡鋭治さんが手がけています。

従来の観光列車は2両~6両編成程度であることが主流でしたが、
関東地方の都市部を運行するため、8両編成という観光列車となります。

これにより、車内では定員100人程度の座席や展望スペースだけでなく、食事(厨房)・音楽演奏に加えて結婚式等も行えるイベントスペースをも備える
国内トップクラスの観光列車といえるスペックとなっています。

近年は、伊豆急の伊東駅-下田駅の輸送人員数は、ピーク時の1千万人からほぼ半減している現状となっていました。
関東から近すぎることで旅行感が弱まり、老朽化した施設が多いことから、長らく低迷する熱海や伊豆の観光需要活性化に期待されます。

この列車の運行に合わせて、横浜駅には観光列車の乗客用の専用ラウンジも設置されます。

JRと伊豆急行の区間を運行する観光列車に、なぜ東急電鉄がかかわっているかについては、
伊豆急行の親会社である伊豆急HDが東急電鉄の子会社であるためで、
伊豆急にはかつての東急電鉄の車両である東急8000系が、伊豆急8000系としてが運行しています。

この東急電鉄は、東京都内においては南部に鉄道網を持っているものの、
東京都心部から外れた渋谷・目黒・五反田・大井町にを起点にした路線であり、
これらの駅には8両編成の観光列車が待機する始発駅としての設備や要素はありません。

東急電鉄は、JR線や東武鉄道・小田急電鉄のように高速運転や多数の待避線を備えた高規格な路線ではないことから、
当初から自社線での観光列車は想定していなかったようです。

そのため、運転区間が横浜駅から伊豆方面となっており、東京都内が含まれていない設定となっています。
横浜駅を観光列車をすることで、スペースを確保しやすい横浜で観光列車の乗客用の専用ラウンジを設けることもでき、
旅行情緒を高めるサービスの提供も可能となりました。

東京都内の各東急拠点駅では駅の規模や東急の保有スペース上、設けることは不可能でした。

東京都内を運行しないことの決断は、知名度低迷の点や集客の点で大きなマイナス要因を引きずることとなりますので、
今後は利用者要望からのきっかけや会社の経営判断から、東京方面への延伸も検討する必要がありそうです。

これまでの伊豆急には2100系の「アルファ・リゾート21」や「黒船電車」などの列車が運行していました。

「ザ・ロイヤル・エクスプレス」は新造される車両ではなく、この既存の観光列車「アルファ・リゾート21」を改造したものとなり、
従来までの観光列車に代わる強力なバージョンアップ版と見ることができます。

その他

Posted by yasamiz